北海道に“朝ごはん”を食べに行く旅。——旅先の朝は、こんなにも美味しい

朝6時。二条市場の一角にある小さな食堂に入ると、すでに湯気と活気に包まれた空間が広がっています。

カウンターの向こうで、手早く盛り付けられるのは、たっぷりのいくら、濃厚なウニ、ぷりぷりのホタテ。
まるで宝石箱のような海鮮丼。

ひと口、頬張った瞬間、口いっぱいに広がるのは「冷たい海」の味。
透きとおった空気の中で食べる新鮮な魚介は、東京のどんな高級店でも味わえないほどのリアルな“海の記憶”を宿しています。

それを味わうために、飛行機に乗る。早起きして、寒さに震えながら市場を歩く。
——でも、その一杯がすべてを報いてくれる。

旭川の街がまだ目を覚ます前。
静まり返った通りを歩いてたどり着いた「こぐまん」からは、もう湯気が立ち上っている。

ここで味わえるのは、鶏ガラと豚骨を丁寧に炊き上げたWスープのラーメン。
コクがありながらもあっさり。しみ込むような優しさが、冷えた体と心をそっと溶かしてくれます。

深夜バス明けの一杯。
旅の疲れも眠気も、すっと消えていく瞬間。
ラーメンが朝ごはんになるなんて、最初はちょっと意外だったけれど、今では「朝ラー」が旅の醍醐味になりました。

行くならお得に行きたいですねよ。

一転して、やさしく柔らかな時間を過ごしたい朝は、旭川郊外にある「ベリーカフェラ・フェリーチェ」へ。

白を基調とした店内、大きな窓から差し込む朝の光。
そして、注文のたびに丁寧にサイフォンで淹れてくれるコーヒーの香り——。

モーニングセットは、カリッと焼かれた厚切りトースト、色とりどりのサラダ、ふわふわのオムレツ。
特別な食材じゃなくても、素材の良さと丁寧な手仕事で、こんなにも心を満たしてくれるんだと実感します。

ひとり静かに過ごす朝も、仲間と語らう朝も、この場所にはすべてを受け止めてくれるやさしさがあります。

“朝ごはんのために旅をする”
それは、ただ何かを食べに行くのではありません。

そこには、その土地の空気、風景、人の営み、時間の流れ…すべてが詰まっています。

早起きをして、まだ眠る街を歩き、食堂の暖簾をくぐる。
目の前に運ばれてきた一皿に、思わず「来てよかった」と呟く。
——それは、日常では得られない特別な朝の体験。

そして、それは旅先での朝活の魅力そのもの。
頭も心もリセットされて、1日が新しく始まる、最高のスタートライン。

北海道の朝は、あなたの中の「感覚」を目覚めさせてくれるはずです。